昇進試験・昇格試験の目的とは
そもそも、昇進試験・昇格試験で行われる論文の目的とはなんでしょうか。簡単に言うと、「この人は昇進・昇格するだけの能力があるのか。あるいは、昇進昇格にふさわしい人材か」を、はかるためです。目的を理解しておくと、書くべき内容もおのずと決まってきます。
たとえば、管理職への昇進・昇格であれば、仕事をこなす能力だけでなく、全体を見て管理する能力が問われるはずです。自分の成果だけを求めてしまうようでは、管理職には不適任ですよね。広い視野をもって、全体最適をうながすような提案ができるようにしたいです。
全体最適に関する知識が欠けていると思われる方は、全体最適を学ぶための本『全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!』を読んで勉強してみてください。どのような論文を書くべきかが、明らかになりますよ。
日頃の情報収集がものを言う
昇進試験・昇格試験の論文に書くべき内容を理解するとともに、大切なのが日頃の情報収集です。できることなら、普段から自分なりの情報網を構築しておき、意識することなくインプットできる体制を整えておくといいですね。
いまから短時間で情報収集したいという場合には、信頼でき、かつ有益な情報を配信している媒体を厳選することが大切です。たとえば『週刊東洋経済』定期購読などは、情報ソースとして申し分ありません。ビジネスマンに必須の情報を無理なく得られます。
また、定量データについては、政府が公表している統計データを活用しましょう。こちらの記事に、使えるサイトをまとめていますので、参考にしてみてください。数値データを盛り込めば、論文の質も高まります。
論文の基本的な構成を知ろう
三段論法とは、「AはBである」「BはCである」「よって、AはCである」という構造です。より詳しい内容は、三段論法についてまとめた記事や、論文の書き方を参照してください。論理的な文章の基本がわかります。
ただ、三段論法をそのまま論文に活用するのは難しいのが実態です。そこでオススメなのが、『入門 考える技術・書く技術』 (記事:誰にでもできる論理的な文章の書き方)で紹介されている「OPQ分析」です。OPQ分析とは、論文に必要な要素を、それぞれの頭文字からとって命名された文章作成法です。
O:Objective(望ましい状況)
P:Problem(問題(「望ましい状況とのギャップ」))
Q:Question(読み手の疑問)
P:Problem(問題(「望ましい状況とのギャップ」))
Q:Question(読み手の疑問)
OPQをそれぞれ明らかにし、その答えがそのまま論文の主メッセージとなります。たとえば、一般的な企業を例に考えてみましょう。
O:売上を前年同月比で30%伸ばしたい
P:競合他社の売上が前年同月比で30%も伸びている
Q:売上をさらに上げるにはどうしたらいいか?
P:競合他社の売上が前年同月比で30%も伸びている
Q:売上をさらに上げるにはどうしたらいいか?
この段階で、Qに答える具体的な施策をいくつかピックアップしておきます。その中から、とくに有効だと思われる手法を10個ほど抜き出し、グループ化して3つに分類します。昇格・昇進を意識するのであれば、マネジメント視点の具体的な提案は欠かせません。
(OPQ分析の詳しい活用方法については『入門 考える技術・書く技術』 をご覧ください)
(記事:誰にでもできる論理的な文章の書き方)
OPQ分析を活用した論文のひな型・テンプレート
あとは、組み立てるだけです。文頭から順番にみると次のようになります。
・文頭(主メッセージ)
売上をさらに上げるために、私は◯◯を提案します。
売上をさらに上げるために、私は◯◯を提案します。
・文中(提案の根拠)
そのように考える根拠は次の3つです。1つ目はA。(Aの説明)。2つ目はB。(Bの説明)……。
そのように考える根拠は次の3つです。1つ目はA。(Aの説明)。2つ目はB。(Bの説明)……。
・文末(提案の再確認)
以上のことから、私は売上をさらにあげるために◯◯を提案いたします。
以上のことから、私は売上をさらにあげるために◯◯を提案いたします。
(OPQ分析の詳しい活用方法については『入門 考える技術・書く技術』 をご覧ください)
※解説記事はコチラ
字数のバランスを考慮して、適時、OPQ(わが社の現状、問題点、目標)を提示するのも有効かと思います。文章の書き方に関する詳細については、文章の基礎知識や論文の書き方に詳しくまとめています。あわせて参考にしてください。
書きはじめてから推敲まで
論文の構成を理解したら、さっそく書き進めてみてください。このとき、途中で立ち止まってはいけません。考えながら書いていると、いつまでたってもまとまった文章は完成しません。ですので、材料をそろえたら、最後まで続けて書いてしまうことです。
どうしても材料が足りないのであれば、マーケティング資料を無料ダウンロードできるサイト「資料JP」を活用してみてください。きっと、必要な素材がすぐに見つかるはずです。
論文を書き上げたら、その後に推敲をしましょう。推敲とは、文章を練り直すことですね。誤字脱字のチェックはもちろんのこと、文章の流れや論理的な内容になっているかなど、全体を確認することで、論文の精度はグッと高まります。一晩、寝かせるのがベストです。
論文を原稿用紙に書く場合には、あらかじめ、書き方の基本についても確認しておきましょう。詳しくは、原稿用紙の正しい使い方や、正しい句読点の打ち方などの記事にまとめていますので、参考にしてみてください。
基本をマスターすれば、わかりやすい文章が書けるようになります。
「おっ!」と言わせるテクニック
次に、文章をプロっぽくみせるテクニックをご紹介しましょう。それは「漢字をひらく」ことです。漢字をひらくとは、漢字をひらがなにすることですね。とくにパソコンで文章を書いていると、なんでもかんでも漢字にしてしまう人がいますが、それでは視認性が低くなってしまいます。
たとえば、「事(こと)」「丁度(ちょうど)」「何故(なぜ)」「殆ど(ほとんど)」「頂く(いただく)」「諦める(あきらめる)」「下さい(ください)」「致します(いたします)」などですね。間違いではありませんが、視認性を高めるにはひらくことをオススメします。詳しくは漢字とひらがなのベストバランスをご覧ください。
慣れてくれば、文章全体の漢字とかなのバランスを考慮して、“ひらく”か“ひらかない”かの判断をしてもいいでしょう。ただし、同じ用語を一部で漢字にしたり、一部でひらがなにするようなことは避けるべきです。常用漢字か常用外漢字かについては、辞書もチェックしてみてください。幸運を祈ります。
(ひらく漢字については、こちらの表も参考にしてみてください:『ハフィントンポスト』)
論理的な文章を書くための材料を探そう
より知的で論理的な文章を書くためには、幅広い知識や知見が必要となります。昇進試験・昇格試験の論文ではそこまで求められないかもしれませんが、できることなら教養を身につける努力もしておきましょう。
また、各界の権威によって提唱されている理論などは、文章の論理性を高めるために、おおいに活用できます。たとえば、書籍から幅広い教養を得てみてはいかがでしょうか。
世界のエリートが学んでいる知識を応用するのもいいでしょう。
身につけた知識や理論を論文に応用するためには、論文の書き方についてまとめている書籍を参照するのも有効かと思います。
論文の質を高めるために活用できるサイト
論文の基本やテクニックを身につけたら、あとは周囲との差別化です。昇進・昇格を左右するのは、基本的なスキルをマスターしていること、昇進・昇格するだけの素養を身につけていること、そして周囲との違いを強調できていることが重要です。
ビジネスの現場は競争の連続です。横並びの昇進・昇格の先にあるのは、受験戦争さながらの出世競争です。そこでは、基本と応用だけでなく、違いを明確にしてアピールする必要があります。
では、どうすれば周囲との差別化ができるのか。ポイントは、他人とは異なる情報を得ていることです。そのためには、周囲が閲覧していない情報ソースをウォッチし、フルに活用すること。それが情報社会における差別化につながります。
たとえば【不満買取センター】などは、法人利用が基本となりますが、世の中の不満という直接的なニーズを把握するのに最適です。
また、不動産の相場を知るためには、6万戸超の新築マンション価格表がわかる【住まいサーフィン】 などが活用できるでしょう。セカンドオピニオンまで得られるのが特徴です。
そして、実際に活躍するプロからの情報を得られるのが、ワークショップが1400件以上 ストリートアカデミー です。1次情報を得るには、直接おそわるのがいちばんです。
その他、IT製品の情報であれば企業向けIT製品/キーマンズネット 、新興市場の情報については新興市場ドットコム など、ニッチなサイトをチェックしておくのもいいでしょう。
プロへの依頼も考慮して
どうしても自分で書けないという方は、クラウドソーシングを利用して、プロに依頼してみましょう。たとえばココナラなら、ワンコインから文章作成を依頼することができます。
より専門的な論文を依頼したい場合には、日本最大級のクラウドソーシング【クラウドワークス】やランサーズがオススメです。ただし、プロに書いてもらったものを、そのまま提出してはいけません。
反対に、身につけた論文のスキルでお小遣いを稼ぎたいという場合には、受注側になることも可能です。その場合には、文章書いてお金をもらおう♪やライティングサービス『REPO』を活用しましょう。
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